万博の見かたが変わる!SDGs万博ポケットガイドブック

万博の見かたが変わる!SDGs万博ポケットガイドブック お知らせ

SDGs万博ってなぁに?

SDGs万博をわかりやすく解き明かすブックレットをつくりました。
大阪・関西万博は、SDGsの目標達成に大きく貢献することを掲げています。この冊子は大阪・関西万博にこれから行く人や行った人、興味がある人が、 SDGsの観点から万博を考えるためのガイドブックです。このガイドブックを読めば、万博と大阪や関西、社会とのつながりが見えてきます。
みんなもいっしょにこのガイドブックを見ながら、楽しく考えてみましょう!!
SDGs万博 ポケットガイドブックのトリセツ

SDGs万博ってなぁに?
このガイドブックの使い方

SDGs万博をわかりやすく解き明かすブックレットをつくりました。
大阪・関西万博は、SDGsの目標達成に大きく貢献することを掲げています。この冊子は大阪・関西万博にこれから行く人や行った人、興味がある人が、 SDGsの観点から万博を考えるためのガイドブックです。このガイドブックを読めば、万博と大阪や関西、社会とのつながりが見えてきます。
みんなもいっしょにこのガイドブックを見ながら、楽しく考えてみましょう!!

いきいき助け合うまちになりまっか?
市民参加・教育分科会

もったいないもんないかーい?
資源循環分科会

その行き方、人と環境にやさしいでっか?
交通・大気環境・まちづくり分科会

「安かったらええ」だけやない!
持続可能な調達分科会

生きものと出会えた?
自然再生・生物多様性分科会

「人間らしい暮らし」できてまっか?
大学生と一緒に「万博のSDGs・平和・人権」を考える分科会
いきいき助け合うまちになりまっか?
自分らしさと「やってみたい!」を大切に、自然と助け合あえるまちにしたい

万博ボランティアが地域の担い手に! 
ボランティア・市民活動の広がりは、大阪・関西の国際都市としての魅力を高めるために欠かせません。地域社会はこれまでも多くのボランティアに支えられてきましたが、少子高齢化や働き方の変化により、担い手不足が課題となっています。
大阪・関西万博では、2万人のボランティア募集に対し、延べ5万5,222人もの応募があり、延べ3万人が当選しました。万博ボランティアに参加した人々が万博終了後も地域の活動に参加し続けることが、より活気ある地域社会を作るために大切です。ボランティア活動には特別なスキルは求められません。誰でも気軽に参加でき、地域社会での助け合いが自然と広がります。

あなたの気づきが未来を変える!
万博ボランティアは、ただ指示されたことをこなすのではなく、自分の気づきやアイデアを活かして活動する、クリエイティブな存在です。ボランティアとしての活動を通じて、来場者から「楽しかった!」「貴重な経験だった!」という声が広がり、次世代のボランティアや市民活動への参加を促すきっかけとなります。
万博終了後、2025年日本国際博覧会協会は解散しますが、万博を契機に広がった市民活動やボランティアの輪が自治体のまちづくり施策にどう継承されるか、ビジョンは示されていません。市民主体のSDGs万博市民アクションは、持続可能な社会の実現に向けて、万博後を見据えた提案を行っています。あなたの気づきやアイデアが、地域社会の未来を変える力になるかもしれません。
もったいないもん ないかーい?
万博を通して、資源循環ゼロ・ウェイストが当たり前の社会に

SDGs万博はプラごみも食ロスもいらない
1997年に京都で開催された第3回気候変動枠組条約締約国会議で脱炭素の国際ルールがつくられ、2015年に愛・地球博(愛知万博)では、環境市民団体も運営の一助を担いました。それ以降の万博では無駄や浪費を減らして、そもそもごみを出さないようにする「ゼロ・ウェイスト」を目指すことが当たり前になりました。
日本の社会の中では、リサイクルという言葉が浸透はしたものの、資源が循環しているとはいい難い状況です。プラスチックのごみの問題も国際的にみて、遅れをとっています。万博を機に、捨てるところだけでなく、そもそもごみを作らない社会を促進させていきたいです。
リサイクル目標56.7%は低すぎる
家庭ごみの組成調査の様子。万博の会場から出るごみについても、このような取り組みができればと考えています。
大阪・関西万博では、飲食の提供において、リユース食器の使用が原則となっており、評価できます。
一方で日本国際博覧会協会は2024年3月、万博の準備・運営を通じて脱炭素・資源循環する方向性や対策を示した『EXPO 2025 グリーンビジョン(2024年版)』を発表。その中で、リデュース率14.9%・リサイクル率56.7%と設定された目標値は、国際的サイクル率の限界が80%と言われることを考えればあまりに低い数値です。
また、食べ残しなどの食品の持ち帰りも原則禁止となるようです。
その行き方、人と環境にやさしいでっか?
環境や人にやさしい移動や交通は、町を考えるところから始まる

移動を考えることは
町を考えること、空気や気候を守ること
大阪市域は1960年代からの高度経済成長期において、車や工場などからのばい煙により、日本最大規模の公害訴訟(西淀川大気汚染公害裁判)が起きるほどのひどい大気汚染がありました。現在は大気環境がよくなってきていますが、交通が原因の二酸化炭素の排出による気候変動は、深刻な状況です。
私たちは移動・交通の面から、中でも、身近で環境にやさしい乗り物・自転車を通じ、SDGs万博に続く、大阪の移動や交通、都市空間の未来について考えていきます。でも、移動や交通はそもそもインフラ施設(道路や鉄道)ができてからでは、選択肢の幅を広げることが難しい分野です。だからこそ、想像力を使いながら、作る前から考えていく必要があります。移動や交通は日常では単なる選択するものでしかないですが、空気が汚染されたり、気候が変わると、どんなひどいことが起こるか知っている私たちだからこそ、万博開催を通じて、命・環境・暮らしに配慮した、これからの持続可能な都市のモデルとなるようなインフラ整備・新技術の導入・協働による運営を行ってほしいと考えています

西淀川大気汚染公害裁判ってなに?
高度経済成長期における、企業からのばい煙と道路からの排ガスによる都市型複合大気汚染の法的責任を初めて問うた、全国でも最大規模(原告726人)の公害訴訟。阪神工業地帯の主要企業10社と国・阪神高速道路公団を相手取り、健康被害に対する損害賠償と環境基準を越える汚染物質の排出差し止めを求めて、住民が1978(昭和53)年提訴。1995年3月、被告企業9社との間で和解が成立し、両者が地域再生のために努力しあうことが確認されました。続く、1998年7月に国・阪神高速道路公団と和解、環境改善のための話し合いは現在でも続いています。
「安かったらええ」だけやない! 
社会の“買い物基準”を上げていこう!

「持続可能な商品しか作れない、お店に並ばない 」
環境にも人にも優しい社会へ
今日あなたが食べたものは「持続可能」でしたか?すぐに答えられる人はまれでしょう。裏の表示を一つひとつ確認しなくても、すべての生産物や商品が持続可能で地球や人に優しいものだったら素敵だと思いませんか。すべての商品を持続可能なものにするには、「持続可能な商品しか作れない、お店に並ばない」社会の仕組み作りが重要です。その仕組みの一つが「調達コード」です。
まずは①持続可能な生産基準をもつ調達コードを作ること。そして②原材料の調達地・生産業者などすべての情報を集め、公開すること。さらに③問題を見つけた人が通報できること。④通報の結果どのように改善されたか、みんなに知らせること。…このようなサイクルを続けることが大切です。多くの品を輸入に頼っている日本だからこそ、その持続可能性への配慮が求められます。

大阪・関西万博の調達コードはまだまだ要改善
大阪・関西万博の調達コードは、環境や人権に配慮されていないとされる認証マークも認めています。どこでどうやって作られたのかの情報集めも不十分、結果の公表も不透明…と、まだまだ改善が必要なのです。
生きものと出会えた?
夢洲のラムサール条約登録を万博のレガシーに

大阪湾岸に生物多様性豊かな干潟や湿地を残し、
渡り鳥のルートを守りたい!
夢洲は南港野鳥園とセットで大阪府の「生物多様性ホットスポット」Aランク16ヶ所の中の一つ。ホシハジロが約5,000羽の飛来(2020年度)するなど、ラムサール条約の登録湿地の基準を夢洲は満たしていました。
大阪湾は古くから「魚庭(なにわ)の海」と呼ばれたほど生物多様性に富み、私たちはその恩恵を受けてきました。そして、瀬戸内海の東端に位置する大阪湾は、長年シギやチドリなどの水鳥の渡りの中継地や越冬地となっていました。
大阪湾岸は「東アジア・オーストラリア・フライウェイ」の重要な中継地です。渡り鳥の生息地の保全は、国際的にも大きな渡りのルートを維持し、アジア地域の生物多様性保全にもつながります。大阪府は、海岸線全長の1%程度しか自然海岸がありません。夢洲の自然再生は、「30by30目標※」達成の一歩。社会・経済全体が自然を回復軌道に乗せていく取り組み(ネイチャーポジティブ)を、万博をきっかけに進めることは、SDGs達成につながります。

大阪湾岸の自然環境を「残す」「創る」「広げる」
万博会場の建設により、生き物のすみかや営巣地は消えつつあります。環境NGO※で博覧会協会と、鳥類の保全に向けた共同検討を重ねましたが、NGOの提案はほぼ採用されませんでした。博覧会協会のロードマップは、万博の環境アセスメントの「市長意見」から見ても、全く不十分でネイチャーポジティブに反するものになっています。私たちは「大阪湾岸に生物多様性豊かな干潟や湿地を取り戻すための共同宣言」を出し、大阪湾岸の自然再生を求めています。今後も万博終了後、万博跡地がどうなるかなど、要注目です。
「人間らしい暮らし」できてまっか?
だれもが平和で自分らしく生きられる社会を当たり前に

「平和であること」
「 人が人として大切にされること」を諦めない!
ウクライナやガザ、コンゴ民主共和国での武装勢力の戦闘等、一度戦いが始まると、簡単には終わりません。第二次世界大戦時、大阪大空襲が何度もあり、大阪市内で最も被害が大きい浪速区は、区域の90%以上が焼失、人口は約4%まで激減しました。
大阪は約80年前から同和対策など、人権問題の先進的な取り組みを
行ってきた地域です。他自治体より熱心に、人権教育を推進してきたのも大阪です。性別や国籍、性的思考などの違いを超えて、一人ひとりが尊重され多様性がある社会は、地域の大きな力になります。
人権が守られない地域は争いが起きやすくなり、平和でなければ人権は軽視されてしまいます。
人権はすべての人が、生まれながら持っている権利です。万博をきっかけに、平和を考える機会を持ち、人権の世界基準がみんなの当たり前になれば、だれもが自分らしく、大切にされる社会につながるでしょう。

チェックの仕組みで変えていける
万博開催に向けた方針や行動計画が策定されていますが、特に「平和」に関する取り組みは、万博関連の働き方やインクルーシブな施策、テーマウィークの実施程度に限られており、限定的です。万博にはロシアが不参加となる一方で、イスラエルや、コンゴ民主共和国の武装勢力M23への支援が指摘されているルワンダは参加。日本、そして大阪で開催されるにもかかわらず、平和へのメッセージがほとんど見受けられないのは残念です。
人権方針が作られ、“万博初”の人権デューデリジェンス(DD)が実施されることは評価できます。人権DDは、例えば長時間労働などのリスクを特定し、起こらない仕組みを先に作ります。そして仕組みがうまく働いているかチェックし、できていなければ改善、その結果を公表する仕組みです。ですが公表が不十分です。本当にうまくいっているか、改善したのか。うまく機能し改善を重ねるには、検証できる情報が必要です。
SDGS万博市民アクション 参加・協力団体

市民参加・教育分科会
活動中心団体
● 社会福祉法人 大阪ボランティア協会
● NPO法人 とよなかESDネットワーク(TEN)

資源循環分科会
活動中心団体
● ごみ減量ネットワーク
● NPO法人 大阪府民環境会議(略称OPEN)

交通・大気環境・まちづくり分科会
活動中心団体
● 公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
活動共同団体
● 自転車文化タウンづくりの会
● 大阪でタンデム自転車を楽しむ会

環境・人権・気候変動に配慮した持続可能な調達分科会
活動中心団体
● ウータン・森と生活を考える会
● NPO法人 AMネット
活動共同団体
● プランテーション・ウォッチ

自然再生・生物多様性分科会
活動中心団体
● 公益社団法人 大阪自然環境保全協会

大学生と一緒に「万博のSDGs・平和・人権」を考える分科会
活動中心団体
● NPO法人 関西NGO協議会
● KANSAI-SDGs市民アジェンダ運営委員会
活動共同団体
● 大阪女学院大学
● ウータン・森と生活を考える会
● NPO法人 AMネット

◎この冊子は学校や市民の方の、万博訪問の事前・事後学習にもお使いいただけます。
◎講師派遣も承ります。